句集『裸足の家』市川敬子
文學の森 令和6年8月8日発行
宮坂静生選10句
刺草の道行けばふと少女の時
滴りの音の充ちたる生家なり
やはらかき泉の底の睡魔かな
螻蛄は背に天使の羽根を着けてをり
春星座からだ半分遊牧民
鳳仙花音が仕事のブリキ職
気分屋で通す一生薔薇の国
空のびてつんつるてんや小鳥来る
山繭の羽化やともかく今日を生き
毛蚕さまの頭でつかちだいだらぼう