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句集『硝子の時間』篠遠良子

2025-03-01

句集『硝子の時間』篠遠良子

本阿弥書店 2025年1月20日発行

 

自選12句

春の吾子銀の折鶴持ち歩く

骨壺に入る春色の喉仏

水笛の鳥にみづ差す夜店守

恋心ぐらぐら田水沸きにけり

真夜中は硝子の時間水中花

桜蘂降るや逝く人耳聡き

素手といふ纏はざるもの手毬つく

毛氈に鳥影走る立子の忌

滴りの途絶えて数へきれざる死

遠青嶺脚立自在にカメラマン

草刈や掌といふ固きもの

木曽馬も男も枯れてゆく中に

 

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