句集『柔らかなうちに』山崎妙子
岳書館
2022年9月20日発行
自選10句
柔らかなうちに子の来よ切山椒
恋ひ焦がるるものを持てとや春の山
卒業子薔薇一本を波に置き
打たれるるに非(あら)ねど痛し那智の滝
泉呑むときペンダント胸離れ
芥子の花けふもどこかに人柱
森番の木肌撫でゆく晩夏かな
人ばかり見し半生よ牧は秋
兵となる子らかも知れず甘藷掘る
冬紅葉痛みなき日の吾は王妃
句集『柔らかなうちに』山崎妙子
岳書館
2022年9月20日発行
自選10句
柔らかなうちに子の来よ切山椒
恋ひ焦がるるものを持てとや春の山
卒業子薔薇一本を波に置き
打たれるるに非(あら)ねど痛し那智の滝
泉呑むときペンダント胸離れ
芥子の花けふもどこかに人柱
森番の木肌撫でゆく晩夏かな
人ばかり見し半生よ牧は秋
兵となる子らかも知れず甘藷掘る
冬紅葉痛みなき日の吾は王妃
句集『湊』清水美智子
東京四季出版
2022年7月28日発行
宮坂静生選 12句
雪沓の音きしきしととほき日へ
シャンソンや夜叉五倍子緑惜しまざる
ファド聴く今宵リスボンは夏の果
闘牛の咆哮四方の魂しづめ
熊の胆は札代りとよ出熊猟
桜かくし沖に明るさありにけり
雪晴の怒濤南蛮えびまつ赤
木の根明く妖精の杖触るるたび
下駄つくりし父の生業けらつつき
糶なき日浮子のゆるるやあいの風
赤松のどこか人めく晩夏かな
稲滓火匂ふ父母の匂ひとも